これから少しずつ、撮影の基礎について書いていきたいと思う。写真にも映像にも共通した内容が主で、もちろん、そんなの当然と思う方は読む必要はありません。
ホワイトバランス 屋外編
さて、最初に書きたいのはホワイトバランスについて。なぜか?
実は、iPhone純正カメラアプリで、もっとも不満だから。
iOS8になって純正カメラアプリで露出補正はできるようになったが、ホワイトバランスはオートしか無い。
次の2つの写真(スクリーンキャプチャ)を見て欲しい。
これはFeelShotの説明のためのスクリーンキャプチャを撮っていた時のこと。
紅葉を普通に撮ろうとしたら
ホワイトバランスがオートだと、上の写真のようになってしまった。
あわてて、マニュアルで5500Kにしたのが下の写真。
これほど違ってしまう事があるのだ。
つまりカメラは今何を撮っているかわからないから、全体が黄色系の画だと黄色を白に近づけようと色調整をしてしまい全体を青くしてしまっている。
その結果、色温度を3300K付近にしているのがわかる。
このようにオートの場合、思ったより色が出ないとか、何かおかしな色合いの写真(映像)になってしまう事がある。
これから先、人工知能的に何を撮っているか認識して適切なホワイトバランスに設定していくという方向に進化していくかもしれないが、現在は手動で、マニュアルで設定してあげた方が良いだろう。
では、マニュアルでどうしたらいいか?色温度なんてわからない!という方へ。
ズバリ、屋外では5500KでOK。
ここで注目したいのが、この5500Kという色温度。
夏の昼間の太陽の光の色温度。デイライト。
もうフィルムで撮影している人は少なくなったけど、フィルムで撮影する時、ほとんどはこのデイライトタイプのフィルムを使っている。
それで全く問題ない。
フィルムに比べて、昔のデジタルカメラでは色温度に敏感すぎて細かく合わせてあげないといけなかったが、現在のデジカメやiPhoneでは5500KでほとんどOKだろう。
その方が利点が多い。
例えば、早朝の赤みがかった光の時、曇りの時、雪の時、夕陽を背景にした時など、全て5500Kで撮れば、早朝の赤み、曇りや雪の日の青い感じ、夕陽の赤みが出る。
もしセンサーの表現力が足りなくて、赤過ぎたり、青過ぎたりしたら、その時は少し歩み寄る。
完全に色温度を合わせてしまうと、その光の特徴を失ってしまうから。
これがFeelShotを作った理由の一つ、「5500Kで撮影したい」
FeelShotの製作では、この「オートとの戦い」があらゆる所であったが、なんとか使いやすいマニュアル操作まで持ち込めた。
また映像撮影時も、オートだと色がコロコロ変わりすぎて困る事がある。日向と日陰やその他の環境光とミックスされた状況の時など、ワンカットの途中で基準となる色が変わるのは困りもの。
これも屋外なら5500Kに設定しておけば、ほぼ万能。
FeelShotではRun&Lockというカメラが回る直前までオートで、回った瞬間その時のホワイトバランスに固定するという設定もある。
カット間の繋がりは無視してしまっているが、写真的な意味でのオートは映像ではRun&Lockという事かな?と考えて機能として入れてある。
次回、屋内編に続く。